易経64卦を読み解くうえで、大切な基本形ともいえる基本になる卦があります。今回はその中のひとつ三陰三陽卦について簡単に説明したいと思います。
三陰三陽卦というのは、6爻のうち3つが陰、3つが陽という意味です。まず、大成卦は陰と陽の6爻の卦画で表します。素地となる陰と陽の交わりがとても重要になってきます。易占を学ばれていて3年目あたりにもし迷われたら、基本に返って易は陰陽、八卦に戻ることをおすすめします。からまってしまった糸もほどけるはずです。
さて、陰は女性で陽は男性を意味することは、すでにお分かりになっているはずです。易占では三陰三陽卦は主に、異性運つまり男女の恋愛や結婚をみる場合が多いのです。ある女性の会員さんが「恋する易経」と表現されていましたが、可愛いですね。
たとえば、風山漸は、天地否と見比べますと、三爻と四爻の陰爻、陽爻が入れ替わっています。天地否の彖伝が「天地交わらずして万物通ぜざるなり」と伝えているように、塞がって通じない意の卦でしたが、陰と陽の交わりによって風山漸の「女帰(とつ)ぐに吉」になりました。男女に例えますと独身だった女性が積極的に進んでいくことにより異性縁が生まれ、結婚への希望が出るとみるのです。
また、雷風恒は、基本形である地天泰は、独身生活で安泰だったところが、初爻の陽爻が四爻へ行き、雷風恒の結婚の卦になったと読みます。雷と風は一対なので恒常なもの、まるで夫婦のようなものになるのです。
三陰三陽卦は、基本形を含めて全部で20卦となります。まとめますと次のようになります。
天地否を基本形とする卦
地天泰を基本形とする卦
易経は、男女恋愛のような身近に感じる世俗的なことだけでなく、もっと大きな自然界の法則も説いています。易経・翼伝・繋辞伝では「乾坤はそれ易の門か」と述べていますように、易は乾と坤つまり陽と陰が入口であり出口だととらえます。陰と陽の交わり、表現を変えると調和とでもいいましょうか。そのあたりは天地の道だと考えられます。心に響く易経、易占いを一緒に勉強しませんか。
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