易経の64卦である大成卦の6つの爻には、それぞれに陰、陽の位置が決まっています。定位置とでもいいましょうか。
陽の位置は、1、3、5の奇数
陰の位置は、2、4、6の偶数です。
陽が陽である奇数の位置に、そして陰が陰である偶数の位置にいることで物事がととのうという考え方から来ています。
陽が奇数、陰が偶数ということは「陰と陽について」でお話いたしましたので、まだの方は先に「陰と陽について」からお読みになってみてください。陰陽は八卦や五行よりも易経、易占の構成要素の最小単位であり、東洋思想の原点ですので、易占を奉ずる者としては、この感覚をしっかりと身に付けておきたいものです。
さて、陰陽の定位を爻位であらわした卦が水火既済(すいかきせい)です。水火既済はすでに整うという意の卦です。
陰陽の定位とあわせて、「正・不正」についても一緒にお話しますと、
例えば、三変筮法で占って、澤雷隨(たくらいずい)の四爻を得た場合、陰陽の定位に合わせてみますと、四爻は陰の位であるのに、得た爻は陽ですので、不正、または位が当たっていないと言います。占断としては、力以上のことをしている、正しくないので、慎重にしたほうがいい。または、今はやらない方がいいというように用います。
また、風雷益(ふうらいえき)の五爻を得た場合は、陰陽の定位で五爻は陽の位であって、得た爻も陽ですので、正、または位が当たっていると言います。
同様に占断としては、やろうとする事や考え方が正しいと見ます。
易経は宇宙論です。易経、易占を勉強していますと宇宙の法則、自然界の法則が少しずつ分かってくると思います。ずっと残っている易経、易占には長い歴史があります。易学は古風な思想に見られますが、味わいがある学問です。個人的には、近代的建物のレストランもいいですが、落ち着くのはやはり古民家的な居酒屋の方が雰囲気はいいと思います。