射覆とは「せきふ」と読みまして、筮竹など使った易占で、箱や袋、布などで覆われたものが何かを当てる易占の専門用語です。
このコラムを読まれている方は、きっと易占に関心があるので、普通の人よりも直感力や「ひらめき」が強いほうでしょう。既に易占を奉じられている諸兄姉はもちろんのことでしょう。
一般的な社会では、事務系の仕事をしていれば左脳重視になっています。左脳は言語、理論、計算などを司るためです。
一方、右脳は感情、感覚、そして直感、ひらめき、創造、アイデア、芸術などを司るといわれています。
易占の練習として射覆を行います。射覆(せきふ)をすることで、卦読みでの「ひらめき」の練習になるのです。宇澤周峰先生や出題者が袋の中に品物を入れて、見えない品物を、易占、もちろん日本易学振興協会では筮竹を使って、得た本卦、八卦で当てるというものです。霊視や透視術ではありません。
私事ですが、宇澤周峰先生に入門したてのころ、はじめて射覆を行い、☵☱水澤節 上六を得てハンドソープが当たったことを昨日のように覚えています。あの感触というか、それこそひらめきは、忘れられません。ちなみに、水澤節の☵坎☱兌ともに液体で兌は沼で水を蓄えておくもの、止水ですので少しドロドロしていると見たわけですが、材質や形状、用途など易が示してくれるものはそれぞれです。画象といって卦の形をみてひらめく場合もあります。内卦の兌が溜まっている液体で外卦の坎☵がポンプのとんがりにも見えてくると上達です。このように創造して、本卦や八卦を素直に読むには、頭をやわらかくしないと出来ません。
もちろん、卦の形である象だけとは限りません、卦の意味の場合もありますし、辞を使って当たる場合もあります。人それぞれ特徴があるようです。ピーンとくる勘というか、インスピレーションだけではなく、誰が見てもその卦で、的占だという卦が理想的ですね。
確かに、易占の回数を重ねてくると、勘が鋭くなりますが、その背景には、易の機構である、八卦や様々な易占術の中から、選ぶという意味での、「占者の勘」であると考えます。
東京・御茶ノ水の湯島聖堂で開催されている、易学研究会でも毎回、射覆が行われ、参加者各々が筮を執ります。ズバズバと当てる熟練の方もいれば、1、2年経ってから当たりだす人もいます。
昔、加藤大岳先生の易学研究会などの射覆は、どなたかが代表で卦をとって、その卦を参加者が解読して品物を当てるという形式だったと聞いたことがあります。
易占は解読学です。宇澤周峰先生が常々おっしゃって、著書でも述べられていますが、易占の本に書いてある文章をそのまま占断に用いる方を見受けますが、これは良くありません。昔から「おみくじ占」とか「糊付け占」と言われます。主体性のない答えは、易の答えではないとまで言えるかもしれません。すべてが文章にあるわけではないので、今回の射覆のような得た本卦や八卦をどう、「解き読む」か、が重要になってくるのです。
いずれにしても、易占を勉強することで、直感力やひらめきが強くなってきます。
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