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易経・易占を学ぶにあたって

握髪吐哺

握髪吐哺(あくはつとほ)とはどういう意味?易経に学ぶ

〔握髪吐哺〕。この漢字検定の試験に出題されそうな、難しい四字熟語を見て、私は、すぐに読み方も意味が分かりませんでした。〔あくはつとほ〕と読むそうです。しかし、調べてみますと、易経の爻辞をかけた周公旦の逸話が由来だと知りましたのでご紹介します。易占コラムは本来、易経、易占の勉強で頭を使われた分、のんびりしたエッセイであるはずが、だんだんと凝ってきてしまいました。申し訳ありません。脳のカロリーを大量に消費させられそうで恐縮です。ちょっと古代へ旅に出た気分でお読みください。

周公旦は、殷を滅ぼした周の文王の子孫で、易学の世界では、爻辞をかけたことで知られていますが、武王を継いで王となった、まだ幼い成王を補佐していたのです。つまり、実質的に周を治めていました。

さて、反乱を平定後、周公は魯の国の統治にいく予定でしたが、代わりに息子である伯禽(はくきん)が、魯に向かうことになりました。赴任するにあたり、周公は伯禽に、こう諭します。

「私は高い身分ではあるけれども、面会を求める者があれば、髪を洗っているときであっても髪を握って水滴をしぼって中断して話を聞いた。また、食事をしているときであっても、口の中のものを吐き出して会うようにした。それでもまだ天下の賢人を取り逃がしはしないかと心配している。お前も魯の国に行ったら、よく気をつけなさい。一国の君だからといって驕り高ぶってはならぬ」

と。
これが、先程の「握髪吐哺」の教えです。周公のエネルギーがこちらまで伝わってくるような、確信に満ちた言葉です。

「握髪吐哺」の由来は、中国前漢時代の文帝の学者・韓嬰による「韓詩外伝」の三巻にあります。

周公は、建国したばかりの周の国をより良くするために、賢者の意見を熱心に求めていました。その気持ちが強く、食事中でも賢者が面談したいと言えば、口に入れている物を吐き出し中断したり、入浴中でも洗った髪を握ったまま乾かさないで、相手を迎えて、面談に応じました。

それぐらい有能な人材を欲していたという表れであり、現在は強い気持ちや行動力を持った人材探しの喩えとなっています。

現在では、熱心に優れた人材を探す。熱心に立派な人材を探し求める。という意味に使われています。

 古代周王朝の時代と現代の日本とは、時代は変わっても、リーダーが孤独なことは同じです。だからこそ、賢者の意見を聞きたくなるのでしょう。また、人材を欲する気持ちはどの時代も共通だと強く感じます。

「易は帝王の学なり」と世にいわれていますが、これは根本通明博士が残した言葉として有名です。根本博士は、明治天皇や皇族の方々に易経をご進講された方です。

なぜ、易経は帝王学なのかと以前、宇澤周峰先生に伺った際に「確かに易経の内容から発せられたことですが、易の作者は、伏犠、文王、周公であって、伏犠は上古の皇帝であると思われるし、文王は、周の王、そして周公も王族である。こう見ると易は帝や王族によって作られたものであり、それが帝王の書、帝王の学ともいえるのではないでしょうか」とのお話でした。

私はというと、小さな会社ですが事務所でバタバタしているときに、「電話です」といわれて、「折り返しする」などとブッキラ棒な言い方で返事をしていたので、ひどく恥ずかしくなりました。気持ちにゆとりがなかったのかもしれません。これからは態度をあらためようと反省しました。(磯部周弦)

日本易学振興協会では、宇澤周峰先生が東京などで易経とともに、本格的な筮竹を使った周易・易占教室を開催しています。主に、三変筮法、六変筮法を中心にした易占法です。詳細はこちらからどうぞ

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