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易経・易占を学ぶにあたって

時代劇に出てくる易占

時代劇に出てくる易占

2023年も、NHKの大河ドラマが、人気でした。おなじみ徳川家康が主人公ですが、
私も、斬新な脚本なので、決断に迫られる家康を自分なら、どうする?と楽しく見ていました。
静岡県浜松市のお祭りにも、主人公・家康役の松本潤さんが参加されて、にぎわったとニュースで聞きました。

この世で必ず出てくる不測の事態。しかし、それを乗り越えていくのが人生で、価値観がしっかりしていないときは、おろおろしてしまいます。三方ケ原の戦いで、家康と信長の連合軍が、武田信玄に大敗し、若き家康は、命からがら城へ帰還したことがあり、一説では、その時の情けない姿を自分への戒めにしようと「しかみ像」を描かせたそうです。
私たちが、易学研究会の会場に使用させていただいている御茶ノ水・湯島聖堂にも、その絵が掛けられていました。家康は、天下人となった後に、朱子学を幕府の基本理念にしたので、易経、易学ともどこか繋がっているようで、期待して見ていました。

これといって取り柄もない私ですが、江戸文化や時代劇が好きで、池波正太郎をはじめ、藤沢周平、山本周五郎の世界観に入り込んでの読書が趣味の一つ。読書といえば格好はいいですが、ごろ寝をして、読んでいたものです。近所のお米屋さんのご亭主と〔用心棒シリーズ〕の話題で話が弾んで意気投合し、「この刺激のあるスピード時代に、のんびり時代劇なんてねぇ。自分だけじゃあないんだね」と喜ばれ、それがお米屋さんと親しくなるきっかけとなりました。

いつの年代も時代劇は、よく見られます。江戸の人たちも、鎌倉の時代劇を楽しんでいたのでしょうから。やはり、舞台や時代設定が変わっても、人間の情や本質はなんにも変わっていません。人の世は万華鏡とはよく言ったものです。映し出す人間模様は、いつの時代も同じです。
宇澤周峰先生が、「易占も同じ。だから四千年たっても、色あせないで現代に通じる」。とおっしゃった言葉が心に刺さりました。

易経は決して、固いだけの古典ではなく、むしろ新鮮で生き生きしたもの。もちろん儒教的思考を基盤にしながらも、易経、独特の価値観が何か私の体質に合った、仁や徳を親しむことができる人生哲学の教本。そしてもっと大きな宇宙論だと思っています。なにかにつけ、そう思うのも、私が易の信奉者だからかも知れません。
さて、宇澤周峰先生はNHKの番組のために揲筮を俳優の平幹二郎さんに指導された逸話はご存知の会員様も多いと思います。そのとき、さすが役者さんで、筮竹の捌き方を3、4回で覚えてしまったそうです。

実は、宇澤周峰先生の師である、柳下尚範先生、加藤大岳先生も、同じく、平幹二郎さんに筮さばきの手ほどきをされたことがあったというから、ご縁も不思議なものですね。
当時は『国盗り物語』で、のちに美濃のマムシと呼ばれる武将・斎藤道山を平幹二郎さんが演じる際に、制作側からアドバイスを頼まれたそうです。若き日の道三の布卦には、☰☱天澤履☰☰乾為天なのですが、数回でスッカリ飲み込んでしまわれ、加藤大岳先生も、真に迫った演技に「天性の演技者というべきで、これまで筮さばきの手ほどきをしたことは数えきれないほどですが、こんなに見事にやってのけた例はないような気がします」と述懐されています。やはり、演技といえども、筮操作の中に精神がこめられていたのでしょう。(磯部周弦)

日本易学振興協会では、宇澤周峰先生が東京都内などで易経とともに、本格的な筮竹を使った周易・易占教室を開催しています。主に、三変筮法、六変筮法を中心にした易占法です。詳細はこちらからどうぞ

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