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易経・易占を学ぶにあたって

易占いは伝統芸能

伝統芸能と筮竹の易占い

手妻(てづま)を知っていますか?あまり聞き馴染みがない言葉です。
手妻とは、江戸時代に花開いた奇術、今の手品のことです。洋風に言えばマジックですね。手妻遣い(てづま・つかい)といえば、マジシャンのことです。日本の手妻の歴史は1300年も前からあり、江戸時代は鎖国をしていたので、手妻の作品は、日本独自に発展し海外では日本文化として、とても人気があります。

知人の息子さんが、その〔手妻遣い〕となり、公演を行うからと、家内と二人で招待されました。たった一度の人生だから、子供のやりたい事が見つかったから、後押しするのが親じゃない。などと他人には偉そうに言えたものです。学校を卒業後すぐに入門され、厳しい3年半の内弟子修行を成し遂げ、ついに、プロ手品師の仲間入りをはたしたのです。
公演ホールに着いて、どうぞ、どうぞと案内されると舞台から2列目の席で、タネが分かってしまうかというほどの臨場感でした。この出世公演では、トランプ・カードマジックが見事なまでに、手の中できれいに扇形になっていたのには驚きました。まさに、修行の成果です。手妻はマジックとは違い、舞踊、長唄、和楽器などの伝統芸能の修業も必要とするそうです。もちろん、雅な和服での日本舞踊や手妻も立派なもの。伝統の継承者となっています。
さて、手妻一門の師匠は、さすが、文化庁芸術祭賞大賞を受賞する大御所といった雰囲気の方でした。手妻を通して、日本伝統芸能の在り方を話してくださいました。なかでも、〔蝶のたはむれ〕という紙で作った蝶を扇で飛ばす手品は、見事なまでの立ち振る舞いでした。

蝶の誕生から、雄雌が出会い、子が産まれ成長し、次の世代が生まれていく物語になっていて、幼虫はやがて蝶となって飛んでゆきます。

子供が生まれたからといって、笑うだけでなく、先代の命は絶えてしまう。生と死は隣り合わせ。しかし、消えてなくなることはありません。形を変え、ずっと生きていきます。子孫繁栄の象徴ですが、この時、手妻の師匠は、おめでたい笑顔はしないで、たんたんと行います。まさに、無常観。一枚の紙で人生、無常を語る芸です。
芸事には人一倍、真剣に取り組み、そしてその技は、毎日の修行あっての技だとつくづく感心した一日でした。そして、求道者であり続ける、師匠の背中を追って欲しいと願いました。

私も、宇澤周峰先生や易占の先輩方が筮竹を綺麗に捌いているのをみて、自分も筮竹の扱いが、上手くなりたいと思ったものです。しかし最近はどうだろうか?心の声がささやきます。所作が神事だからなどと言い訳がましく、執筮が減ってしまい、もっともっと練習しなければと、つくづく思いました。(磯部周弦)

日本易学振興協会では、宇澤周峰先生が東京などで易経とともに、本格的な筮竹を使った周易・易占教室を開催しています。主に、三変筮法、六変筮法を中心にした易占法です。詳細はこちらからどうぞ

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