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易経・易占を学ぶにあたって

重明以て正に麗き、すなわち天下を化成す易経

重明以て正に麗き、すなわち天下を化成す 易経離為火より

易経を自分なりに紐解き、名言の陰に潜む易の価値観に触れるたびに、易経とは、読むほどに新しい気づきを手渡してくれる書なのだと思います。より身近に感じて頂ければ幸いです。


 〔重明以て正に麗き、すなわち天下を化成す〕この辞は、☲☲離為火の彖伝からの引用です。
読み下し文は、そのままですが、例によって掲げておきます。

重明以て正に麗き、すなわち天下を化成す。

人は誰でも、心に情熱の火を持っています。クールに見える人だって、顔には出さなくても、秘めているものです。情熱の火が何に付くか。火は、燃えないものや、燃えない人に付いても、ただくすぶってしまうだけです。しかし、情熱を燃やせるものに付けば、その熱で、天下をも変える力を持っています。☲☲離為火は、このように解釈できます。

天下も変える力とは、やや誇張された表現かもしれませんが、
例えば、会社を設立する時には、「世のため、人のために役立つ存在にしたい」という創業の思いが原点にあり、
それがやがて大きな企業に成長して、世界的にも影響をあたえる上場会社になったという話しも結構耳にします。
以前は、会社名に「○○化成」というものが多かったのは、この易経・☲☲離為火の考えに基づいて名づけたと聞きました。
最近は、こういった社名が英語やカタカナ表記に変わりつつありますね。
企業も国際化ですから、しょうがないといえば、しょうがない流れでしょうか。

さて、の象意は、火であり、太陽でもあります。
太陽は、私たちの潜在的な明るさや希望を象徴しています。
太陽はその存在自体が生命を育む力を持ち、光と温かさを与えてくれます。
心の中に太陽を持つことは、どんな困難な状況でも、心の中に希望の光を持ち続けることで、困難を乗り越える大きな力となります。
少し脱線しますが、私の好きな言葉に「唇には歌を、心には太陽を」という言葉があります。
急に浮かんで来ました。これは、ある詩人が言った、感情と精神の深さを表現したフレーズです。私たちが持っている明るい側面を見事に表しています。
歌は、人を勇気づけ、プラスのエネルギーを生み出しますね。
いずれにしても、心の中に、情熱と希望を灯すことは、様々な困苦を乗り越えなければならない私たちの人生において、
前向きに歩めるための〔鍵〕と言えます。

燃えるには、年齢は関係ありません。

この年齢になると、「もう火のつくことは、あまりない」「いまさら持つ感慨ではない」と考える人もいるかもしれません。
けれど、情熱を冷まして捨てるのはまだ早いです。もったいないです。まだ炎は燃えています。
やりたいことがあれば、何歳になってでも、年齢に関係なく、やってみようという、いつまでも青春時代のような前向きな心を持ち続けたいものです。
同志社大学の米井嘉一さんは、スポーツでも、ボランティアでもクラブ活動でも、広い意味では趣味のようなもので、あまり固苦しく考えず、少し挑戦してみることを勧めています。あなたの助けを必要としている人が必ず存在します。3日でやめてもいい、私の趣味は「三日坊主」という人でも、何もしないよりはマシです。とおっしゃっています。
例えば本会員の皆様が心揺さぶられることとして、やはり、易と出会えたことでしょう。
私自身もまた、諸兄姉と同じく、易占の世界に、足を踏み入れたとき、またたく間に魅了され、気付けば夢中になっていきました。
いつも待ちかねるように、毎月届く『岳易開成』をむさぼり読みました。まさか自分が編集に関わる日が来るとは想像していませんでしたが…。兎に角、易に、魂レベルで影響を受け、私の人生を決定付けました。

まさか自分が編集作業に関わる日が来るとは想像していませんでしたが…。
易を学ぶことは、易経の哲学や易占なども身に付いて、一石二鳥どころか、三鳥にも四鳥にもなります。
私自身、自分が行き詰ったときに、どれほど力づけられたか、分かりません。

易が他の占いと違う点は、神頼みだけにしない、人の力を過信しない、そして易経は精神論だけに偏らないところにあると思います。
人間の力には限界があります。過信すると危ういですね。易に頼らねばなりませんが、易を知る人は幸せです。世間には、占いを恥ずかしがる人がたくさんいます。迷信だと言って、嫌がる人も多くいます。また、易をチョットやって、投げ出す人もいます。確証が掴めないと、本気になれないからでしょう。本気になれないと、確証はつかめません。この矛盾を解消するには、やはり実占だと思います。確証が掴めて行って、易占に徹すれば、いよいよ幸せです。会員諸兄姉の中には、異論があるかも知れませんが…。

言われてみれば、確かに、何かに燃えることに、年齢なんか関係ありません。自分で自分を縛ってしまって、限界を決めているのかもしれません。そして、他人の目を気にする必要もないでしょう。やりたいこともやらないで人生を終えるよりも、他人は他人、自分は自分の好きなことに没頭する時間を持つべきだと思います。
人生90年として、約78万4千時間。
仕事で悩んだり苦しんでも、時間にしたら、三分の一ほど。
仕事のことはそれ位と気にせず、家族との時間や趣味の時間が大切だとつくづく感じさせてくれます。そう願っていますが。
趣味を持つ人は、大人になっても、シニアになっても、どこか堂々とした雰囲気を持っています。
今回も、たどたどしい私の易経の解釈にお付き合いくださり、有難うございました。

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