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易経・易占を学ぶにあたって

日本易学振興協会コラム

心の扉を開く方法 易占いが少しでもヒントになれば

街占、宅占、イベントなどで実際に占いをしていると、中には、せっかく鑑定に来ているのに、事情の重要なところは話さず、心の扉を閉めている相談者もいます。頑なに心の扉に、鍵までかけている姿は痛々しくさえ感じますが、強引にこじあけてもよいものでしょうか?野暮です。しかし、鑑定の時間も過ぎてしまうので、どう切り出そうか、占者が気を遣って一方的に話をする…という接し方をした経験も、会員の皆様もきっとおありのことと思います。

純文学から絵本や詩も書かれている作家の寮美千子さんは、奈良少年刑務所にボランティアとして絵本と詩の教室を行っておられ、その少年刑務所で起こった数々の奇跡が書かれた『あふれでたのはやさしさだった』を読みました。刑務所で授業をするなんて…、と初めは、おそるおそるページをめくりましたが、寮さんの「詩の教室」を通して凶悪な犯罪をおこした少年たちが、だんだんと「心の鎧」を脱ぎ始めるのですから、不思議です。

もとより、心を閉じている人に、いくら諭しても通じません。寮美千子さんは次のように書かれています。『なにしろ、大切にされたことのない人に、人の命や人生の大切さを説いても伝わりません。彼らは、大切にされることではじめて他者の大切さを知り、「とんでもないことをしてしまった」と感じるようになるのです』まさに、この社会性涵養プログラムと呼ばれる詩の教室で、少年たちが固く閉ざした心の扉を開いて、自分の命の大切さに気付くのです。

そして、最後に2種類の自信について次のように述べています。

『まずひとつが条件つき自信です。あることが出来た自分に価値があるという自信。しかしこれはもろいのです。例えば、成績が良かった子が受験で失敗し、ノイローゼになったり、利益を上げていた経営者が業績悪化で、あっけなく自殺してしまうことが多いのです。一方、根源的自信とは、その人が存在しているだけで、世界から肯定されていると感じるおおらかな心のことで、周りから、無条件に、肯定して育てられることです。こういう自信のある人は、困難にあっても、くじけず、失敗しても立ち直れるしぶとさを持っています。私たちは、行き詰った人に、よりそって、心の支えとなって、添え木となる。しっかり根をはり、自立できるようになる』


この貴重な手記を通じて、易者も是非そうでありたいと感じました。(磯部周弦)

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